経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD/PTCD)

PTBD(経皮経肝胆道ドレナージ術)とは

胆管に直接チューブを挿入して診断や治療をしなければならない種類の病気があります。近年の医療技術の発展により、内視鏡を使い胆道にチューブを入れ、診断や治療を行う方法(内視鏡的逆行性胆道アプローチ法)が多く行われますが、病気の種類や発生した場所、患者さんの状態によっては、身体の外から肝臓を介して胆管にチューブを挿入する方法を選択せざるをえない場合があります。これを経皮経肝胆道ドレナージ(Percutaneous transhepatic biliary drainage: PTBD またはPercutaneous transhepatic cholangio drainage: PTCD)と言います。

チューブを入れる方法

超音波やCT検査、X線透視装置などを使い胆管の位置を確認し、身体の外から中の肝臓に向けて細い針を挿入し胆管に当てます。針先が胆管に入ったことが確認できたら、ガイドワイヤーという医療用の針金を胆管に挿入し進めていきます。目的とする場所に到達できたら、少しずつ太い管に交換し、皮膚を通して胆管にチューブを留置します。

質問

Q1. 手技の危険性について教えてください

残念ながら、100%安全な手技とはいえません。以下のような合併症が起きてしまう可能性があります。担当医より良く説明を聞いて、十分理解してから処置を受けてください。以下に主な合併症を記します。
● 出血
胆管は肝臓の中を走行する動脈や門脈と併走しているため、穿刺時に動脈や門脈を傷つける可能性があります。肝臓や胆管を穿刺しているため、肝動脈や門脈、胆道の損傷による出血を起こす危険性があります。この部位の止血のために、新たに血管造影検査(血管塞栓術)を必要としたり、さらに太いチューブを挿入することもあります。
● ドレーン逸脱
呼吸などにより、チューブがずれて抜けてしまうこともあります。これにより胆汁が漏れてしまい、腹膜炎となる可能性があります。
● 他臓器損傷
腸管や肺などに針が刺さってしまい、傷つけてしまう可能性があります。

(イラストは、L&Kメディカルアートクリエイターズ株式会社に作成を依頼しました。)