Q1. 内視鏡による治療と外科治療のどちらを選べばよいでしょうか
内視鏡(口から胃を通過して十二指腸に挿入するもの)による治療は、お腹に傷をつけることなく行うことができるため、外科治療と比べて、体力的負担が軽減されます。その一方で、十二指腸乳頭部を拡げて結石を十二指腸側に取り出しますので、そのために十二指腸乳頭部の括約筋を切開すると、逆流防止機能が低下する可能性があります。また、十二指腸乳頭部には胆管だけでなく膵液が流れ出す膵管が開口しているため、治療の影響で膵炎を合併することがあります。内視鏡治療と外科治療の長所・短所を比べて、患者さんごとにどちらが適切かを検討して選ぶ必要があります。
Q2. 胆のう摘出手術後に総胆管結石ができましたが、腹腔鏡で外科治療を受けることはできますか
胆のう摘出術後であっても、腹腔鏡を使った手術を受けることは可能です。ただし、胆管周囲への胃や腸の癒着が強い場合等、開腹手術の方が安全な場合があります。
Q3. 総胆管を切断して小腸や十二指腸と吻合した場合に食べ物や腸液が胆管内に逆流するとどんな症状が出ますか
もっとも多い症状は発熱で、38℃を超えることがほとんどです。吻合部が肝臓側の総胆管よりも極端に狭くなっている場合や、逆流を繰り返したりすることが原因で胆管内に結石ができることがあります。その場合は発熱だけでなく、黄疸や上腹部・背部の痛みなどの症状が出ることがあります。