MRI (MRCP)

MRI検査とは磁気共鳴画像診断検査のことであり,強力な磁石でできた筒の中に入り,磁気の力を利用して臓器を撮影することです(図1).
MRI検査は,腹腔内臓器以外にも,脳,血管,骨など多くの分野で有用とされています.

<図1>
MRI検査装置:検査を受ける方の緊張を和らげるために,柔らかい照明や壁に自然の風景を映し出すなどの工夫がされています.

胆道のMRI検査としてはMRCP (MR胆管膵管撮影)がよく行われます.これはMRI装置を用いて,胆道(胆のうや胆管),膵管をうつしだす検査です(図2).これにより,胆管や胆のうの中にある結石やポリープなどをみつけだすことができます(図3).また,黄疸がある方のどこの部位の胆管が狭くなって胆汁の流れが悪くなっているかもわかります.


<図2> 正常なMRCP像


<図3> 胆のう結石症例のMRCP像

通常胆管を検査するためには,細い内視鏡を胃の先の十二指腸まで入れて,胆管に直接造影剤を入れる必要がありますが,MRCPでは,このような大変なことをせずに胆管をうつしだすことができます.また,放射線を使わない検査なので,レントゲン検査やCT検査などのように被曝することがありません.

質問

Q1. 誰でもMRCP検査を受けることができますか?

磁石の力を使って検査をするので,体内に金属が入っている方(ペースメーカーなど),金属が含まれるアートメイク,タトゥーなどがある方は検査ができないことがあります.一方で,最近ではMRI検査が可能な金属が使用されることも増えてきており,ご自身に使用されている金属がMRI対応かどうかを確かめていただく必要があります.
また、狭い筒の中に入るため,閉所恐怖症や仰向けの姿勢で安静を保つことが難しい方は検査がうまくできないことがあります.

Q2. MRCP検査をすれば,胆道の病気は全て診断できますか?

MRCP検査だけで全ての胆道の病気が診断できるわけではありません.前述のMRCP検査ができない方に加えて,検査ができても腸のガスが多かったり,検査中の息どめができなかったりすると,うまく診断ができないこともあります.また,狭くなっている胆管の胆汁の流れを良くしたり,細胞や組織を採取する際には,MRCP検査ではなく内視鏡で直接胆管に管を入れる必要があります.
胆道の病気を診断する方法としていろいろな検査があり,それぞれ利点と欠点がありますので,自分の病気を見つけるのに適しているのか,安全に受けることができるのかなど,担当の医師とよく相談をして検査を受けるようにして下さい.