ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)

肝臓でつくられた胆汁(脂肪の吸収を助ける)と膵臓でつくられた膵液(消化液)はそれぞれ胆管、膵管を通って十二指腸に流れますが、その出口を十二指腸乳頭部(ファーター乳頭)と呼びます。内視鏡(胃カメラ)を口から挿入して、胃の奥にあるこの十二指腸乳頭部まで進めて、胆管・膵管の出口から細い管を挿入して造影剤を注入することによって胆管とその途中にある胆のう(胆汁を蓄えておく)、および膵管を映し出す検査がERCPです。(図)

また、この検査を応用して、胆汁や膵液を採取して細菌の検査(細菌培養)や細胞の検査(がんの診断)を行ったり、組織採取(生検)を行ったり、さらに胆管閉塞の治療としてチューブを留置したりすることがあります。

質問

Q1. どんなときに行いますか?

胆管、胆のう、膵臓の疾患が疑われた場合の精密検査法として広く行われてきましたが、最近ではMRIによっても胆管・膵管像が得られるようになったため、画像診断のみを目的としたERCPが行われることは少なくなっています。

Q2. 入院しなくてはいけませんか?

通常は入院で行います。検査に伴って膵炎や胆管炎を起こすことがあり、そうした場合には、絶食として点滴や投薬などで治療を行う必要があります。

(イラストは、L&Kメディカルアートクリエイターズ株式会社に作成を依頼しました。)