胆のう癌(がん)

胆のうは肝臓で作られる胆汁を貯蔵する西洋梨のような形をした10cm程度の袋状の臓器であり、肝臓の下(おなかの右上のあたり)にあります.
胆のうが癌化することにより胆のう癌(がん)になります.癌化の原因は明らかではありませんが,胆のう結石や胆管の先天的な異常があるとなりやすいという説もあります.胆のう結石に対する腹腔鏡下胆のう摘出術などにより,たまたま癌が見つかる偶発癌と言われるような早期の癌から,黄疸(おうだん)をきたすことで発見されるような進行した癌もあります.胆のうは肝臓,胆管,十二指腸や大腸などに囲まれる位置にあるため,進行するとそれらの臓器に浸潤しやすく,いろいろな臓器を一緒に切除する大きな手術が必要になることもあります.

質問

Q1.胆のう癌にはどのような症状がありますか?

体重減少,食欲不振,腹部膨満,腹部腫瘤などがありますが,どれも胆のう癌に特有の症状というわけではありません.
早期であれば無症状であることの方が多く,進行して胆管にひろがることにより黄疸をおこしたり,十二指腸や大腸にひろがって腹痛や嘔吐を起こしたりすることがあります.

Q2.胆のう癌の疑いがあると言われました。どのような検査が必要ですか?

腹部超音波検査,CT検査,MRI検査などの画像診断に加えて,超音波内視鏡検査などの内視鏡を使った検査があります.これらの検査により病気の場所やひろがりが診断されます.採血による腫瘍マーカーが参考になることもあります.

Q3.胆のう癌と診断されました。治療法にはどのようなものがありますか?

手術としては,早期がんでは胆のうを切除するだけで済むことがあります.進行がんでは,がんの広がりに応じて肝切除,膵頭十二指腸切除,大腸切除などが追加されます.
手術ができない場合には,抗がん剤治療が行われます.
最近では,手術の前後に抗がん剤治療を組み合わせる治療も試みられています.