理事長挨拶

日本胆道学会 理事長 海野 倫明

理事長就任にあたって

 2016年9月の定例理事会において日本胆道学会理事長に選任され、乾和郎理事長の後を引き継ぐことになりました。初代理事長の有山襄先生、2代目の二村雄次先生、3代目の故近藤哲先生、4代目の乾和郎先生、という煌めく星のごとき諸先輩方の後任は大変な重責ではございますが、諸先生方のご援助をいただき、日本胆道学会および胆道学を更に発展させるために全力で頑張る所存です。
 日本胆道学会は、現在会員数が約3200名の中堅の学会ですが、内科と外科がほぼ同数であるという特徴を生かし、機動力のある運営を行っていきます。

日本胆道学会の目指すところ

1.プロ集団としての日本胆道学会

 胆道学会の会員は、内科、外科、病理、放射線科、など各科にわたっており、これらの先生が一堂に会する点が胆道学会の良い点だと思います。他学会に見られない診療科を越えた横断的な熱い議論が今後も続いていくことを期待します。その反面、細かな手技に拘り「木を見て森を見ず」にならないよう、胆道学の根本である病態学、疫学、診断学、治療学、腫瘍学を忘れないようにしたいと考えています。

2.若手を育てる日本胆道学会

 プロ集団としてのプライドは保ちつつも、専門家のみのギルドとなり若い人が参入しづらい、とはならないように配慮していきたいと考えています。次世代の胆道学を背負う若手を育てる学会となるよう、若手が積極的に参加できるようなプログラムを取り入れていきます。

3.社会に認められる日本胆道学会

 乾前理事長が取り組んだ、胆道学会認定指導医制度をさらに発展させ、社会に認めてもらう指導医制度にいたします。また未だ一般的でない「胆道」という言葉を社会に認知してもらうために、市民公開講座などを通して社会に知っていただきたい、と考えております。将来には、「胆道内科」「胆道外科」が標榜科として認めてもらえるようにいたします。

4.エビデンスを作る日本胆道学会

 胆道学はこの数十年で大きく進歩致しました。その反面、以前から解決していない問題も多く抱えています。これら諸問題は個々の施設が後ろ向きにデータを収集しても解決しないことは明らかです。胆道学会に所属する多くの施設が前向きに症例を集めてこそ、永年課題であった問題が解決する、と考えています。臨床研究のハードルが上がった現在でこそ、胆道学会主導の臨床研究をすすめ、高いエビデンスレベルの新知見を創って行きたいと考えています。

5.世界に認められる日本胆道学会

 日本の胆道学は世界一と自負していますが、その反面、世界の潮流から離れ「ガラパゴス化」している懸念もあります。世界に向けて発信するためにも英文オフィシャルジャーナルであるJHBPSを有効に使って、日本の素晴らしい胆道学を発表していきたいと考えています。特に、胆道学会が一体となって新たなエビデンスを創り世界に発信することに全力で取り組みたいと考えています。

 このような課題を解決するためにも、学術委員会を充実させ、学術集会プログラムの立案・実施に積極的に関与していきます。また臨床研究を担当するプロジェクト委員会(仮称)を新たに立ち上げ、プロジェクト研究としての前向き研究に力を入れたいと考えています。またこの研究資金を学会として捻出できるように財務の再検討にも取り組んでいきます。さらに、胆道学会員が競争的資金を獲得すべく、学会をあげてバックアップするような体制を取りたいと思います。
 人類の健康・福祉に貢献し、世界に誇れる日本胆道学会となるように尽力する所存です。今後とも、会員皆さんのご指導・ご協力をよろしくお願い致します。

日本胆道学会 理事長
東北大学大学院医学系研究科 消化器外科学
海野 倫明